お受験の準備をしよう ライバルをつくらない家庭教育


仲の良い兄弟を見ると「うちの子どもたちはケンカばかり。どうして仲良くできないのかしら」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。いくら同じ血を引いているからと言っても

すべての兄弟の仲が良いわけではなく、性格が合わない兄弟もいるはずです。

兄弟ケンカがおさまらない場合には、ママが上手に介入しましょう。「お姉ちゃんなのだから」「あなたはまだ小さいのだから」「○○ちゃんが悪い」と一方的に言わないようにしましょう。

お兄ちゃんやお姉ちゃんが弟や妹を理不尽にいじめたりしているとついつい「あなたの方が年上なのだからガマンしなさい」と無理にガマンを強いると「妹には負けたくない」「弟にだけは勝たせない」などと兄弟をライバル視することにもなりかねません。

少子化で将来にわたって女性が子どもを産む人数は現在「1人強」ですが、一人っ子が多いなかで、せっかく兄弟がいるのですから「兄弟はいいものだ」と家庭教育で思わせていきたいものです。

ところで、仲の良い兄弟といえば画家のフィンセント・ファン・ゴッホとその弟のテオドルス・ファン・ゴッホ(通称テオ)でした。ゴッホを語る上で欠かせないのが弟テオですが、ゴッホが画業に専念できたのも弟テオの支援があったからです。ゴッホは気難しい性格のため、父親とは確執があり、友人も決して多いほうではなく、ゴーギャンとの共同生活も2人の個性のぶつかり合いから2ヶ月弱で終焉しています。しかし、テオはそんなゴッホをずっと支援し、兄の絵の良き理解者でした。死後、作品が評価され、ゴッホが偉大な天才画家として後世に名を残すことができたのも、テオのおかげなのです。

兄弟でも性格や得意なことは違います。ゴッホとテオの兄弟のように「うちの子たちも支え合っていってほしい」と思うなら、違うところがよいところだと理解して「お兄ちゃんは本で好きで、冒険も好きだよね」「弟は星や雲が好きだから科学者タイプかな」などとそれぞれの個性や良いところをたくさん並べて「ママは両方好きよ」と伝え、決して比べないことです。兄弟をライバル同士にさせてしまうと仲は良くならないのです。

「ライバルをつくらない家庭教育」のベースがあれば、小学校のお受験でも知らない仲間とすぐに仲良くすることができるはずですし、お受験後の学校生活でも共感し協力し合える友だちがきっとできるはずです。

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