「中学受験は大変なので小学校でのお受験がおススメ」と以前に書きましたが、私立小学校に入学した児童のなかには、６年後に再びレベルの高い名門中学校を目指してお受験をする児童もいます。中学校受験に力を入れている私立小学校なら公立小学校から中学受験をするよりも子どもにかかる負担はより軽くなることでしょう。
国立市にある私立小学校の国立学園は、付属の中学校・高校をもっていないため、入学した児童の全員が中学受験を目指します。進学校のため、授業も厳しく、宿題も多いのですが、授業や宿題をきちんとやっていれば余計な費用を使って塾に行く必要はないというのが学校の方針のようです。経済的な負担が軽くなるため「開成や麻布などの名門私立中学校に合格するための予備校」と割り切って小学校のお受験をさせているご家庭もあるとか。
中野区の宝仙学園も名門中学校への受験対策をしている学校として有名です。独自の教科書をつくり、教科担任制や習熟度別学習、放課後の補習など、さまざまな工夫をし、各学年の３学期には、次の学年の学習内容を指導します。６年生は１学期に小学校の全課程を修了し、２学期からは国立・私立中学校への進学に向けた指導を行っています。
川崎市にある洗足学園は、６年生男子児童のほぼ全員が、難関の国立・私立中学校へ進学しています。６年生の女子児童は、洗足学園中学校への「内部入試」を受験することができます。合格者は、洗足学園中学校の合格資格を保有したまま、他校のお受験をすることが可能なため、女子児童にはメリットのある私立小学校です。
私立小学校によっては、系列の中学校に全員が内部進学できない場合もあります。成績でふるい落とされれば、いやおうなくもう一度他の中学校を受験することになり、子どもへの負担も図り知れません。後で「こんなはずではなかった」と後悔しないように、お受験の前には、学校の教育方針や内部進学率などを調べておきましょう。なお、国立大付属小学校も内部進学率は、一般の私立小学校より低く、ほとんどの児童がもう一度中学受験をすることになります。とにかく、小学校のお受験にあたっては、中学校受験のことも考慮して準備することにこしたことはないでしょう。