小学校のお受験の行動観察では、協調性や社会性を見ていると言われています。数人でグループをつくって遊ばせて、その様子を評価しているケースが多いようです。いじめが社会的な課題となっているなかで、お受験を行っている小学校では、お友だちと仲良く遊べる子、遊びのルールを守れる子を高く評価しています。
たとえば子どもが集団で遊ぶ「かくれんぼ」や「おにごっこ」は、「鬼」と「子」に分かれて遊ぶ伝統的なものですが、「子」になったら「鬼」に見つからないようにするには「じっと動かずがまんしなければ」と子どもは考えます。忍耐力や集中力は、こうした遊びを通して身についてきます。また、ルールを守ると楽しく遊びことができるということがわかってきます。
小学校のお受験では知らないお友だちと決められたルールを守って仲良く遊びことができるかなどを見られているわけですから、集団のなかで楽しく遊ぶことを日ごろから体験していると、お受験でもルールや約束をすぐに受け入れ、どうしたら集団で楽しく行動できるかを考え実行に移していくはずです。
そのためにも、ひとりで遊ばせるよりも、みんなで遊ばせることを家庭教育のポイントと考えて、集団で遊ぶことを積極的に行うとよいでしょう。遊びに参加することで、それぞれの役割を分担することを覚えたり、指示を出したりすることで協調性や社会性が身につき、自分が必要とされていることがわかります。
また、自分よりも年齢の下の兄弟や子どもといっしょに遊んであげることで親に感謝されていることがわかってくれば、自分も役に立っていると思うことができるはずです。
物怖じしないリーダーシップのある子は、集団で遊ぶことで小学校のお受験に活かせる体験を積んでいくことができますが、引っ込み思案な子どもの場合には、集団での遊びに参加できないこともあります。その場合には無理に参加させると逆効果になってしまいます。
そんな場合には、集団で遊ぶことを大切にしている幼稚園や保育園などに通園させて、少しずつ経験を積み重ねてから「集団のなかで学ばせる家庭教育」を行うこともひとつの選択肢でしょう。