「2歳、3歳でお受験なんてかわいそう」。
批判を含んだ周りの声を受けながら、子どもの将来を最優先に考えて挑む最初の関門が幼稚園のお受験です。そうしたなかで、お受験がうまくいったときには、誇らしく、清々しく、明るい未来がイメージでき、幸福感に包まれ、とても心地良いものでしょう。
振り返れば、夜泣き、夜間の授乳、おしめの交換…。目の回るような育児に追いまくられ、社会との接点がなく気分も滅入っていたママも、数ケ月が過ぎると、気持ちにも余裕が生まれ、子どもの将来に思いをはせます。
また、子どもを育てるなかで、社会に流布している「3歳児神話」も、幼稚園お受験のきっかけになったのではないでしょうか。3歳くらいまでに経験したことや学んだことは、一生もので、その後の性格や人柄を形成する土台となるというものです。
しかし、これはあくまで理論上のこと。「3つ子の魂100まで」とのことわざとともに、3歳までには、人生の方向を決めてしまわなければならないとあせりが生まれてきたことでしょう。
お子さまを超名門校に入学させようと考えたら、できるだけ早くお受験をした方が賢い選択なのではないかとママたちは塾へ、お受験へと走ります。高い倍率をくぐりぬけるためには、合格につながりそうなことはすべてやっておきたい、親心です。
都内の一流私立幼稚園では、入園料を含めて120万以上を納めなければなりません。年間の保育料も50万円前後。こうした高額な入園料を支払えるのは富裕層に限られるはずです。ある名門幼稚園は3分の1がお医者さまで、残りの3分の1が自営業とか。富裕層でなくてはなかなか手の届かないところにあるのが名門幼稚園なのです。
また、大学附属の幼稚園に合格することができれば、よほどのことがない限りストレートに大学まで進学できることや、経済的にも、社会的にも恵まれたご家庭で育った子どもたちと一緒なので、ママも安心して通園させるこができるはずです。幼稚園のお受験は、富裕層や教育熱心の親たちにとってとても魅力的な選択なのでしょう。
次年度のお受験は10ケ月後に控えています。お受験をしようとしているご家庭には、悪意のある噂さや間違った情報に振り回されずに、お子さんがどうしたら健やかで明るく、その子らしく過ごせるのかを最大限に考えてお受験に臨んでほしいと思います。