一流のスポーツ選手になるための資質のひとつが負けず嫌いだと言われています。記憶にあるところでは、幼い頃からその成長をメディアで見聞きしている国民的な卓球選手のIちゃん。自分よりもはるかに年齢が上の選手に負けると、あたりはばからず泣きじゃくっている光景を1度や2度、テレビで目にしたことがあることでしょう。「次は絶対に負けてなるものか」。幼なごころに競争心に火がつき、周りが止めるのも聞かずに猛烈な練習に明け暮れ、オリンピックでメダルを取るまでの一流選手に上り詰めました。スポーツに限らず、お受験でも負けず嫌いな性格かどうかがバロメーターになるようです。
お受験に「向くのか」「向かないのか」。お受験を意識しはじめると、親なら誰しもが考えてみることでしょう。自負心の強い子は「自分は他の子どもよりもまさっている」と思っており、人に負けることが大嫌いなので、一生懸命努力を重ねるのでお受験向きです。
一方「自分は他の子どもよりおとっている」と思っても、とくに気にしない子どもは、のんびりしていて競争心もほとんどないのでお受験には向かないようです。友だちがよくできると「すごいなあ」と感心してほめますが、自分も友だちのようになろうとは考えないようです。
小学校のお受験では、子どもたちを数名のグループ分けして、自由に遊ばせ、他の子たちと上手く遊ぶことができるかを見る「行動観察」があります。普段から誰とでもすぐに仲良くでき、一緒になって楽しむことができる協調性のある子どもは評価されます。逆に落ち着きがなく、飽きっぽく、グループ内のお友だちと交わらずに、自分の好きなことだけをやるような子どもは協調性がないと判断されて評価も低くなってしまいます。
「うちの子は負けず嫌とは程遠く、協調性もないのでお受験は回避かしら」。と結論はすぐに出さずにもう少し様子を見ましょう。幼児教室や家庭教師でお受験の準備をしていくうちにお受験向きの性格にならないとも限りません。でも、やっぱりお受験に向かない性格が小学校のお受験までには払しょくできないとしたら、ここは潔くあきらめて、中学校までお受験を待ってもいいのではないでしょうか。公立小学校に6年間通ううちに競争心や協調性が芽生え、お受験向きの性格に変わらないとも限りません。子どもの可能性を信じてあせらずにじっくりと6年間を待つという選択肢があってもいいと思います。