小学校のお受験で出される「行動観察」は、ペーパー試験のように、このように行動すれば、絶対合格できるという正解があるわけではありません。「行動観察」の内容は、それぞれの小学校によって違います。「5人1組でパズルを完成させる」「小グループに分かれて積み木で遊ぶ」「ルールを決めて鬼退治をする」「4人で玉を転がす」などをはじめ、待ち時間の間に、上級生と一緒に映像を見たり、絵本を読んだりする様子を観察して評価している小学校もあります。どちらにしても共通することは、集団のなかで適切な行動ができるかどうかです。学校は集団で学んでいくことが基本ですから、集団からはみ出してひとりだけ自分勝手な行動をとったりすると評価が低くなってしまうことは間違いのないところです。
「行動観察」では、知らないお友だちのなかで、回りと仲良くしながら、決められた課題をやり遂げていかなければなりません。そのため、日ごろから集団でいることに慣れておく必要があり、こちらのほうは、お受験塾などで対応することになりますが、集団の中で印象をよくするための対策なら家庭教育でもある程度の土台をつくることができます。
集団の中で目立つ子と目立たない子がいます。目立つ子は声が大きく良く通って、みんなに自分のお話しを聞いてもらうことができるのです。しかし、目立たない子は、ぼそぼそとか細い声なのでみんなに自分のいうことを聞いてもらえないのです。大きな声で元気いっぱい話す子どもは、性格も明るく積極的な印象を与えます。
わが子が目立たない子だとしたら…。「目立たない子から目立つ子」へ。
これは家庭教育でも改善できるはずです。「ひらがな表」などを使って、子どもと親が一緒になって楽しみながら大きな声が出るまで発声練習を繰り返し行います。声が大きくなったら、短い言葉からはじめて、少し長いセンテンスへと進み、何を話しているのか分かるまで練習を繰り返しましょう。声の使い方、トーン、話し方の速度などにも注意を払います。それでも、まだ聞き取れない時には、身体を使う練習をしましょう。お友だちに話を聞いてもらえる子は、ジェスチャーやしぐさが大きいのです。 集団の中で子どもの存在が印象に残るように、家庭教育を実践していくことが良い結果につながっていくはずです。