文科省がススメル家庭教育のしめくくりです。
(15)他の子と比較しない
どれだけ言葉を覚えているか、どれだけ何々ができるかなどと、他の子どもや平均値との比較に目を奪われ、期待から子どもを評価することは、子どもたち一人一人の個性や成長のために良くありません。そういう親の下では、子どもまで自信をなくしがちです。比較して不安になるのではなく、どんなときも子どもの個性と成長を信じ、ゆっくりゆったり育てたいものです。
(16)良いところを見つけてほめる
子どもに大切なのは、自信と、自分を大切にする力です。それは植物の根のようなもので、深く広く張るほど大きな実りをもたらします。表面的なことにとらわれることなく、その子が大きく育つことを信じて心に豊かな水や栄養を与えましょう。そして、その水や栄養となるのが、子どもの良いところを見いだし、ほめることです。叱るべきときは叱り、ほめるべきときはちゃんとほめる。一つ叱ったら三つほめるぐらいのバランスを心がけましょう。ほめられることで子どもは喜びを感じ、自信や自尊心を育てていくのです。しかダメなところを責めるより、良いところを増やしていこう。
(17)偏った早期教育を考え直す
幼児期から知的な教育を始めさせる親が増えていますが、早くから勉強をさせられた子どもが小・中学生の段階で疲れてしまうことが少なくありません。他の子どもとの比較に目を奪われたり、早く成果をあげようとイラだったりする家庭の雰囲気も、子どもの心の成長をゆがめかねません。また、幼児期に大切な遊びやさまざまな体験の機会を減らすことにもなります。子どもを見つめ、その個性に応じてじっくり時間をかけて育てることの大切さに気づいてください。
文科省がススメル家庭教育は、今まですでに家庭教育の心得などで述べてきたことが多数
明記されていますが、どちらにしても、パパやママが子育てや家庭教育を問い直す良い機会となるはずです。また、小学校のお受験に向かって基礎づくりの参考となることでしょう。
文科省がススメル家庭教育は、小学校のお受験を目指すご家庭だけではなく、これから子育てをしようとするご家庭にもぜひ目を通していただきたい家庭教育の手引きです。今回は「完璧主義にとらわれない」「子どもの夢を見守る」「子どもの個性を大切にする」ことを家庭教育の一貫として示したものです。
(12)肩の力を抜いて子育てを
親が完璧主義にとらわれて自分や子どもに完全を期待すると、小さな失敗やミスにも過敏になり、イライラやストレスがたまります。それがエスカレートして育児不安や幼児虐待にもつながりかねません。子どもは親の思い通りに動かなくて当たり前です。大事なところはきっちり押さえても、小さなことまではこだわらず、多少のことには動じない余裕をもつことが大切です。子どもにとっても、完璧を目指す子育てより、肩の力を抜いた子育ての方が、のびのび育っていけるはずです。
(13)子どもの夢や希望に耳を傾け励ます
今の子どもは冷めていて、将来の夢や希望ももたず、難しい目標はチャレンジする前にあきらめてしまうと言われています。しかし、子どもは子どもなりに夢や希望をもっています。どんなに小さく、どんなにヘンに思えるものでも、その夢や希望に耳を傾けましょう。
また、自分の経験や、長い間にわたって苦労して夢を実現した人々の生き方などを折にふれて話しましょう。そして人生の目標は汗を流し、失敗を重ねながら達成していくものだと、励まし、あたたかく見守っていきましょう。
(14)過保護や過干渉はやめる
子どもの歩く先の障害物をすべて先回りしてどけていく過保護。子どもの一挙一動について指示をしていく過干渉。こうしたことを親がやっているようでは、子どもはいつまでたってもひとりで歩けるようにはなりません。またチャレンジするチャンスや失敗から学ぶチャンス、遊びやいろいろな体験をするチャンスも奪ってしまいます。親は、他の子どもと比べたり、自分の望みやペースを押しつけたりしがちですが、子どもは一人一人みんな違います。その子の個性を認め、ありのままに愛したいものです。