子どもをあまりきつく叱るとプライドが傷つくことがあります。
子どもを叱るときにも「おおらかに」「後を引かない」こと。そんな家庭教育が大事です。
「電車の車内で親が子どもをネチネチと叱りつけている光景がいまだに目に焼きついています。これからピアノのレッスンに行くらしく、楽譜を見ながら、ドア付近で母親が子どもを叱りつけていました。『どうして、あなたは、ここを上手に弾けないのよ。あなたができないとおうちで練習させてこなかったと先生に思われて、ママが恥ずかしい思いをするだけなのよ。この間もぜんぜんだめだったでしょう。同じように今度もまた間違うとママ、許しませんからね…』。子どもは親の顔色を見ながら今にも泣きだしそうに、沈んでいました。
将来この子が大きくなったら、『親の言いなりになり自主性がまったくなくなる』『親に叱られたことを根に持ち反抗的になる』。それとも『親を見限りわが道を行く』のか。その子の行く末を思わず心配してしまった」とある教育者が子ども番組で話していました。
失敗したときに頭ごなしに叱りつけては「次はがんばろう」という気に子どもはなりません。それよりも「またやっちゃったの。この次にはできるといいね。」とおおらかな気持ちになるほうが子どもの心によほどしみいるはずです。
幼児期になっても叱られる理由はそれほどわかっていないものなのです。幼児期は自己認識ができて、自分はどういう人間なのかと関心が出てくるときですから「あなたはダメだ」「あなたは間違ってばかり」と言い続けられたら子どもは「自分はだめな人間なのだ」と自信をなくしてしまいます。そうなると小学校のお受験だけではなく、すべてのことに悲観的になり、子どもがもっている良い個性が表に出てこなくなり、自分の殻に閉じこもってしまうことにもなりかねません。
子どもを「叱る」ときは、「ネチネチと叱らないこと」「以前のことまで持ち出して怒らないこと」をいつも意識してください。また、叱るときは「これで叱るのはおしまい」とけじめをつけて叱りましょう。親も人間ですから感情が時にヒートアップしてしまうこともあるでしょう。でも叱ることは、子どもに人生を教えることとわきまえて、しつかりとセルフコントロールのできる家庭教育を実践してください。